10月25日㈰試合直前インタビュー
今回は次戦を前に勝次に直前インタビューを敢行しました。
本来ならば興行パンフレットに試合前インタビューとして掲載されてるのですが今回は簡易化の為に割愛されるとの事で楽しみにされている方の為に開催してみました。
インタビュアーも素人さんなので不慣れではありますが後援会理事会を代表してやってくれました。
インタビュアーは理事会と表記させて貰いました。
理事会・
それでは早速、インタビューの方をさせて頂きます。
宜しくお願いします。
勝次・
宜しくお願いします。
理事会・
前回の敗戦ですがかなりの反省とその現実に向かい合った様子でしたが今の心境はいかがですか?
勝次・
正直、試合後はやってしまったと言う感覚でした次の試合も決まっていたので自分の中で消化して次の試合を漠然と考えてました。
負ける事に慣れてしまった訳でもないですし自分の中にモヤモヤとした感覚は残り続けてました。
理事会・
そう言った中でFacebookの記事にあった先輩に呼び出された訳ですか?
勝次・
いや、応援に来られた方々に先ずは挨拶と思い連絡をしてました。殆どの方は身体の事を気遣ってくれ次も頑張ってと激励の言葉が多く一瞬その場では本当に嬉しくて気持ちの整理がついた様に思えるのですが、その5分後にはまたやり切れない気待ちになったり躁鬱を繰り返すは大袈裟かも知れませんが上がったり下がったりを繰り返してました。
そしてその先輩にLINEで連絡すると返信が「ざまぁ~ねぇ~な!」とそれだけでした。
理事会・
随分と過激な直球でしたネ?
勝次・
僕もなんて返して良いか解らず呆然としてましたw
大体の人、全員が励ましの言葉や労いの言葉でしたし、、、
理事会・
流石に温厚な勝次選手もカチンと来たのでは?
勝次・
いやその先輩は口が悪いとかではなくすぐに物の本質だけに焦点を合わせるんです。
その時に僕は本当に負けると言う現実に直面し呼び出されたのではなく自分から会いに行きました。
理事会・
勝次選手も目が覚めたっと言う感じですか?
物の本質に焦点を合わせるとは勝次選手は何を持って現実に直面したのですか?
勝次・
皆さんが暖かい労いの言葉など頂いてましたが本音はやはり試合後の感覚は面白くない、不快、悔しい、色んな複雑な思いをさせてしまっていた現実と文句の1つでも言いたい本音がある事。
多くの方に失望させたと言う現実は変わらないって事です。
理事会・
負けた現実に直視出来たって事ですか?
その先輩に会ってどの様に変わりましたか?
勝次・
勝てば天国、負ければ地獄…
僕がデビュー当時からその先輩に言われてる言葉です。
会うとみんなにお礼はしたのか?なんて言われた?などの質問をされてその上で「俺にも慰められたいのか?」
って質問が帰って来ました。
僕は返す言葉がなく黙ってたら矢継ぎ早に質問されましたw
先日、Facebookで書いた感じです。
負けた時にしっかりと地獄を味わっておけ、本当にもう負けたくない、もっともっと勝ちに飢えてずっと勝ちに飢え続けないといけないとも言われました。
理事会・
その先輩は上京してからの知り合いなんですネ。
勝次・
はい、右も左も分からない僕に蒲田の街の色んな店に連れて行ってくれて蒲田の街を散策する楽しみを教えてくれたのもその先輩です。
理事会・
蒲田のロッキーの産みの親って訳ですネ。
勝ちに飢え続けろ Stay hungry. Stay foolish. この言葉はそこから来たのですネ。
勝次・
Stay hungry. Stay foolish.これは正直、そのまま受け売りなんですけども意味や解釈は色々あるからネットで検索するないしして自分で調べろと言われました。
理事会・
自分で調べるから理解が増えるからって事なんでしょうか?
そして勝次選手はなんて解釈しましたか?
勝次・
はい、いくつかの本を勧められた事は度々あるのですが正直、買って満足な訳ではないのですが読まずのままの本がありその先輩からは積読症候群か?買って読まなきゃ意味ないぞ、とよく言われます。
流石にネットで調べるくらいならやれるだろって僕の傾向も知ってるのでそう言われたと思います。
僕の解釈は…
【満足は大敵、常に全てにおいて飢えていろ!勝利にも知識にも全てにおいて貪欲であれ!】
こんな感じですかネw
理事会・
勝次選手がスポーツ力学や武士道、陽明学などの本を読んだり勉強してるのは伺えてましたがそれもその先輩の影響ですか?
それにしても見事な解釈をしましたネ
勝次選手らしい!
勝次・
スポーツ力学の観点はお互い違う観点からの方が相乗効果で2倍になるって言われてますのでスポーツ力学等は似て異なる様なジャンルをお互い勉強して議論してます。
その先輩は聖書から武士道、陽明学、行動心理学、自己啓発、一般小説とよく読まれてます。なので良かった本の話はいつもされます。
影響はかなり大きいと思います。
ありがとうございます。
ネットで検索して行くとジョブスの偉大さとこの言葉の意味が深くて面白くてかなり勉強になりました。
理事会・
今回の敗戦で得たものもあったって事ですネ。
転んでもタダでは起きない勝次選手らしいです。
勝次・
転ばないと学ばないではダメなんでしょうけども
常に貪欲に知識を求めたいです、求めて行かないとダメなんだと思います。
理事会・
流石は勝次選手、早速、Stay hungry. Stay foolish.を実戦の構えですネ。
ところで次戦なんですが来週…と迫ってます。
前回の敗戦から1ヶ月弱のハイペースに感じる試合ですが心境の変化と共に次戦への戦い方の変化もあるのですか?
勝次・
ありがとうございます。
前回の敗戦、その前から解ってた方もいらっしゃると思いますが…
ネット環境の充実と共に僕の試合も簡単に動画で見られる時代です。
みんな勝ちたいと思いから勝つ為の練習をやって万全を期してリングに上がって来ます。
動画があればそれを見て攻略を考えて来ますよ。
理事会・
そうですネ。勝次選手の試合はかなりの再生回数ですもんネ。
癖だったり特徴を攻略の鍵にしてくると言う事ですネ。
勝次・
いや、癖だったり特徴ってよりもその選手のパターンだったりダメな所、やらせてはダメな事、色んな事を想定出来それを実戦出来る様に練習を積んで来るんでしょう。
理事会・
前回までの勝次選手の攻略はされてる?と言う事ですか?
勝次選手・
ハッキリ言っちゃえばそうです。
そこに気付かなかった訳でもなかったのですが僕に何処か甘えがあったのかも知れない、毎試合毎に未知の自分を見せながら勝ち続けるって事をしないとダメなんです。
もちろんプロスポーツエンターティメントという点で応援してくれてる方、観戦にご来場されてるお客様、全ての点においてもメリハリのある変化が、常にアップデートされる様なマイナーチェンジを繰り返す事が僕には必要だと思ってます。
理事会・
勝次選手らしく自分に厳しく前向きなお話です。
流石にその手答えを感じる練習をされてるという感じですか?
勝次・
いや、お恥ずかしい話ですが前からそうは感じてましたが中々実行出来ず、前回の敗戦と言うか色んな事がありこの結論に達しました。
そしてこの考えは各自皆んなが思ってる事だと思います。
ですがプロスポーツ、体現させると言う現実は難しいです。
解っているけど出来ない、何回も練習したけど試合で出ない、けど気付いてたら出来てた、色んな事が起こります。本当に練習でも初心に戻って一からやり直してます。
理事会・
そこにプロスポーツの厳しさがあるのですネ。
色んな事、今年は世界的にも変化続きの日々ですが、勝次選手は情勢の他にも、所属ジム等の変化もありましたネ。目黒藤本ジム所属で現在は伊原道場で練習してるんですよネ?
そこで初心に戻れる感覚とかあったのですか?
勝次・
コロナ禍と言われる状況は世の中にかなりの変化をもたらせてます。皆さんも大変だと思います。
練習の環境などはジム閉鎖から藤本会長とは色々と相談させていただき指南されては居ました。
僕は自粛規制になる前に実家の兵庫県三木市で自主規制する事にしてましたがそこで藤本会長の訃報を聞きあたふたするしか出来なかったです。
ですが目黒藤本ジムの名前で試合して行く事の了承して頂いておりまたマネジメント関係の件などは藤本会長の指南通りにやって行く事に決めて居たので活動には心配はなかったです。けどもやはり寂しいと言うか心に何処か穴が空いたと言うか…
今でも試合会場には来てくれるのでは?なんて思ってしまう事もあります。
最初、伊原道場での練習は緊張感がかなりありましたネ。
理事会・
そうですネ、世間はコロナウィルスによって一変してしまう事もありました。
勝次選手には世の流れに追い討ちで恩師の逝去などの心痛の心境だったり、環境の変化…
この辺が前回の敗戦の要因だったりするのですか?
勝次・
いやそれは全くありません。
前回の負けの全ての責任は僕なんです。
コロナ禍の環境は相手選手も同じですし練習の環境は万全でした。
足りなかった物は僕の中にあったんです。
理事会・
………
理事会・
すみません。野暮な話を聞いてしまいました。
伊原道場での緊張感とはどんな感じのものですか?
また練習での環境はどんな変化がありましたか?
勝次・
大丈夫です。勝負の世界なのでやはり負けた事に言い訳したり誤魔化するのはダメだと…自分の負けをシッカリ受け止めたいんで少し自分もムキになってしまいました。
そうですネ。
伊原道場での練習はビックリする事が多いですネ。
伊原代表が指導をしてるって話は聞いてましたが…
毎日、プロの練習時間帯は道場に居ますネ。
そして選手、一人一人にアドバイスだけではなくミットを持って直接指導してくれます。
意外と言うか…興行の準備、段取り、協賛先との打合せなどと忙しいのにと思いました。
理事会・
ありがとうございます。
もう既に次戦の事しかない感じですネ。
伊原ジム、伊原道場の練習、それを聞いた私もビックリしました。伊原代表はいつもスーツで事務仕事をしてる感じがしてました。
しかも各選手に寄り添っての指導とは凄いですネ。
勝次・
伊原代表は本当にキックボクシングが大好きなんだと思います
しかも凄く解りやすいんですし親切なんです。
単純な事を自分が変に考え過ぎたりしていて質問をしても真摯に考え簡単に解決策を提案してくれるんです。
新日本キックボクシング協会の経営手腕に目に行ってしまいがちですが選手作り関しても業界屈指の指導者で名伯楽なんです。
理事会・
それは素晴らしいです
次戦に向けて着々と準備が出来てる感じですネ。
勝次・
伊原代表への尊敬は日に日に深まって行くばかりです。
正直、最初の頃は伊原代表と話をするのは緊張とその圧に押されて苦手だったんですw
でも話は解り易いですしこちらの話も聞いて必ず考慮してくれる。
今では練習前に今日は伊原代表が何を話してくれるのか楽しみだったりします。
でも楽しみだけじゃないんですがネw
練習は厳しくて当たり前、厳しく激しい喝も飛んで来ますしこれでもか!ってくらい追い込まれます。めちゃめちゃ厳しいです。
でも終わった後は何故か安堵に変わる感覚があります。
理事会・
それは勝次選手の達成感と言うか満足感なんでしょうネ。
試合1週間前ですが体調はどうですか?
また対戦相手畠山 隼人(E.S.G/NJKFスーパーライト級チャンピオン) にはどんな対策、どんな印象をお持ちですか?
そして相手の畠山選手は八潮のロッキーとの異名ですが蒲田のロッキー 勝次選手… 蒲田vs八潮そんな構図がありますがその辺は?
勝次・
日々充実の練習が出来てる事に感謝しかないです。
今の所、問題もなく順調です。
畠山選手はここ数年は伸びてるって話は聞きます。パンチが強く打ち合いも強くここ数試合は豪快なKOが多いとか聞いてます。
後、畠山選手と同じ所属ジムの健太選手は、僕がリスペクトする選手で理論的かつ哲学的な要素でキックボクシングを分析していてブログなどは読み入ってしまいます。
同門として必ず秘策を持ってくるんだと思ってます。
ロッキー対戦ですかw
僕が蒲田を愛し恩恵に報いたい様に畠山選手にも同じ様な物があるんだと思います。
何があってもどちらも負けられないって気持ちだと思います。
理事会・
今回は他団体王者と激しい打ち合いになる…そんな試合が期待出来る感じですか?
畠山選手は秘策を用意してる見込みですが勝次選手も秘策は用意してますか?
そうですネ。両選手色んな物を背負ってリングに上がってるんですネ。
勝次・
あまり激しい打合いはしたくてしてるんじゃないですがwお互い色んな物があるので結果そうなってしまう感じです。
秘策…正直、寝ても覚めてもそれしか考えてないですよw 色んな試合の流れだったり、ピンチになった時の流れを変える技とか圧倒する技だったり全てが秘策ですよ。
本気で勝ちたいですからネw
今回はデビュー戦、勝星に恵まれなかったデビュー当初その気持ちを大事にしたいので練習では左ミドルを意識してます。
理事会・
今回の秘策はズバリ『左ミドル』って事ですか?
勝次・
いや全然違いますw
僕がキックボクシングを始めた時に言われた事です。
とにかく左ミドルを蹴る事を言われました。
理事会・
それは攻撃的に有効だからですか?
勝次選手・
違います。右利きだと右のローキックやパンチをサンドバッグに打つ事が多くなります。
簡単と言うか素人でも出せますから…
1番苦手なのは左ミドルになります。
苦手な物から覚えて行くその姿勢ですネ。
左で覚えれば右も何となく出来たりするし楽な事ばかりをしないで練習なので苦手な事からやって行く。
楽な事をしないで苦手な事、厳しい事をやって行こうと思ってるって事です。
理事会・
それも私には意外な感じしました。
そうなんですネ。
キックボクシングは奥が深いですネ。
勝次・
練習でやってる事が全て試合で出てくれる訳ではないんですよ。
中には簡単にリングで出せる技もあったりしますが…
何万、何十万、何百万練習してもいざ試合では出せない技ってあるんです。
次の試合で出そうと練習してて出せなかった技がその次の次の試合ですんなり出て来る…そんな事が多々あるんです。
体現する難しさです。
理事会・
なるほど作戦、策略、それが秘策は常に考えても体現出来るか否かって事なんですネ。
毎日、寝てる時もキックボクシングを考えてるって事ですネ。
勝次選手・
プロですから最低限の事ですネ。
そこから練習を積み重ねて体現出来るか試合に勝てるか…
先ずは想像する事って大事だと思います。
理事会・
今回は勝次選手の試合に対する真剣さとその難しさが伝わります。
今回のテーマはStay hungry. Stay foolish.これですか?
勝次・
いやそれも違いますw
Stay hungry. Stay foolish.これはこれからずっと覚えておきたいですネ。
あのローランドさんのお店の入り口には全文書いてあるみたいです。行った事も見た事もないですが…
今回…
テーマがあるならヨハネの福音書(聖書)16章33節ですかネ。
今はコロナの影響で大変じゃないですか?
僕がいつもお世話になっていて応援してくれている飲食店なんて僕より大変だと思います。
そんな人達にも頑張って欲しいんです。
理事会・
ヨハネの?… 聖書?ですか?
どんな意味ですか?
勝次・
これも受け売りですが解釈は自分なりにしました。
『大きな困難な時こそ勇敢であれ」
僕も正直、ここで負けて三連敗したら選手生命の死活問題です。
今回の試合はキャンセルして時間を空けてから出直す事も考えにありました。
でも、ここで自分が自分に勇敢に立ち向かって苦境な飲食店などを始め少しでもみんなさんに元気を届けたいですし自分も一緒にここを乗り切りたいんです。
ヨハネの福音書16章33節…
良い言葉です。
僕はクリスチャンじゃないですけどw
理事会・
勝次選手の熱い気持ちを聞き出せて安心しましたw
勝次・
いつも恩返しのチャンスがあればとは思ってるのですが全くと言っていいほど出来てなくて
戦う姿勢ぐらいしか見せらないですが…
理事会・
優しくないと強くなれない、今そんな言葉が頭に浮かびました。
今日は勝次選手が愛される理由が解った気がします。
勝次・
ありがとうございます。
皆さんに愛想を尽かされないように頑張ります。
理事会・
愛想を尽かすなんて日々の努力を知る人はそんな事ないと思いますよ。
今日はありがとうございました。
次戦、来週は必ず後楽園ホール、応援に行きます。
もちろんWinNext一丸となって応援に行きます。
勝次・
ありがとうございます。
皆さんに明るい顔で会場を後にして貰える様、頑張ります。
理事会・
本日は試合前に急な企画に対応ありがとうございました。
勝次・
こちらこそありがとうございました。
写真 : 10.14 伊原道場
©Katsuhiro Ichikawa